この記事でわかること
- 病院薬剤師の夜勤と当直(宿日直)の違い
- 深夜の割増賃金や、深夜業に就く人の健康診断など、知っておきたいルール
- 今の病院でできることと、夜勤のない職場を選ぶときのポイント
結論
病院薬剤師の夜勤・当直がつらいのは、体の負担に加えて、生活リズムや家庭の事情と働き方が合わなくなっているからです。まずは夜勤と当直の違い、割増賃金や健康診断のルールを確認し、回数や体制について病院に相談しましょう。それでも負担が変わらない場合は、夜勤のない調剤薬局などへ、正社員のまま移ることも現実的な選択肢です。
職場を変えることも考えたい方へ
薬剤師専門の転職・派遣サービスに、働き方の相談ができます。
▼ 相談の申し込みはこちら
PR(広告)
転職サービスの選び方を見る →
※ 登録後、担当者から電話で連絡があります。
病院薬剤師の夜勤・当直がつらくなる理由
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 生活リズムが崩れる | 夜間の勤務が続くと、睡眠や食事の時間が不規則になる |
| 一人で判断する場面が多い | 夜間は薬剤師が少なく、疑義照会や緊急の調剤を一人で受けることがある |
| 当直なのに眠れない | 当直のはずが、呼び出しが多くほとんど眠れない |
| 回数が多い | 人員が少ない病院では、夜勤・当直の回数が多くなりやすい |
| 家庭との両立が難しい | 子育てや介護との両立がしにくい |
夜勤と当直(宿日直)の違い


病院の夜間の勤務には、大きく分けて夜勤と当直(宿日直)があります。
| 夜勤 | 当直(宿日直) | |
|---|---|---|
| 位置づけ | 夜勤夜間の通常の勤務 | 当直(宿日直)通常の勤務とは別の、ほとんど労働をしない待機的な勤務 |
| 業務 | 夜勤日中と同じように調剤・監査などを行う | 当直(宿日直)一般の宿日直業務のほかは、軽度または短時間の業務に限られる |
| 労働時間の扱い | 夜勤労働時間として扱われる | 当直(宿日直)労働基準監督署長の許可を受けた場合、労働時間などの規定の扱いが異なる |
当直(宿日直)は、労働基準法施行規則第23条にもとづき、労働基準監督署長の許可を受けて行うものです。厚生労働省は、医療機関の宿日直について「医師、看護師等の宿日直許可基準について」(令和元年7月1日 基発0701第8号)という通達で、許可の基準を示しています。主な内容は次のとおりです。
- 通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること
- 宿日直中の業務は、一般の宿日直業務のほかは、特殊な措置を必要としない軽度または短時間の業務に限ること
- 宿直の場合は、夜間に十分な睡眠がとれるものであること
- 通常の勤務と同じような業務に従事することが常態になっている場合は、宿日直の許可は与えられない
「当直なのに、日中と同じように調剤や対応が続いて、ほとんど眠れない」という状態が続いている場合は、実態が当直とはいえない可能性があります。
夜間に働く人のためのルール
深夜の割増賃金
午後10時から午前5時までの間に働いた場合は、通常の賃金の2割5分以上の割増賃金が支払われます(労働基準法第37条第4項)。夜勤の給与明細で、深夜の割増が正しく計算されているか確認しましょう。
深夜業に就く人の健康診断
深夜業を含む業務に常時従事する人は、その業務への配置替えの際と、6か月以内ごとに1回、定期の健康診断を受けることになっています(労働安全衛生規則第45条)。健康診断の結果で気になる点があれば、産業医や上司に相談する材料になります。
心身の不調があるときは、無理をしないで
眠れない、疲れが抜けない、気分が落ち込むといった状態が続く場合は、まず医療機関に相談してください。
今の病院でできること
| やること | ポイント |
|---|---|
| 回数・連続勤務を相談する | 月の夜勤・当直の回数、夜勤明けの休みの取り方を具体的に相談する |
| 当直の実態を記録する | 呼び出しの回数・時間、眠れた時間を記録し、相談の材料にする |
| 給与明細を確認する | 深夜の割増賃金が支払われているかを確認する |
| 健康診断の結果を伝える | 深夜業に就く人の健康診断の結果をもとに、配慮を相談する |
| 部署・勤務形態の変更を相談する | 夜勤のない部署や日勤のみの勤務ができないか相談する |
職場を変えたほうがよいサイン
- 夜勤・当直の回数が多く、体調を崩しがちになっている
- 当直のはずが、ほとんど眠れない状態が続いている
- 深夜の割増賃金が支払われていない
- 相談しても、回数や体制が変わる見通しがない
- 子育てや介護など、家庭の事情と両立できなくなっている
夜勤のない働き方を選ぶなら
| 職場 | 夜間の勤務 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 調剤薬局 | 夜間の勤務基本は日中の営業時間内。24時間対応の薬局や在宅対応では、夜間の連絡当番がある場合も | 向いている人病院での経験を活かしつつ、生活リズムを整えたい人 |
| ドラッグストア(調剤併設) | 夜間の勤務営業時間によっては夜の遅番がある | 向いている人調剤とOTCの両方に関わりたい人 |
| 夜勤のない病院・クリニック | 夜間の勤務病院によって体制が違う | 向いている人病院での仕事を続けたい人 |
次の職場で確認すること
- 夜間・休日の連絡当番や在宅対応の有無と、その回数
- 営業時間と、遅番・土日勤務のシフト
- 病院での経験(病棟業務、注射薬の調製など)を評価してもらえるか
転職サービスでは、「夜勤・当直のない職場を正社員で探したい」と最初に伝えると、勤務体制を確認したうえで求人を紹介してもらいやすくなります。
職場を変えることを考え始めた方へ
正社員・パート・派遣の働き方別に、薬剤師の転職サービスの選び方をまとめています。
薬剤師が職場を変えるときの転職サービスの選び方を見る →
※ 紹介するのは、近いうちに職場を変えたい方向けの転職サービスです。登録後、担当者から電話で連絡があります。
▼ 相談の申し込みはこちら
PR(広告)
よくある質問
- 病院から調剤薬局に移ると、経験は活かせますか?
- 処方の背景にある病態の理解や、注射薬・病棟での経験は、調剤薬局での服薬指導や在宅医療で活かせることがあります。どの経験が評価されるかは職場によって違うため、面接で具体的に伝えましょう。
- 夜勤がなくなると、収入は下がりますか?
- 夜勤・当直の手当や深夜の割増賃金がなくなる分、収入が変わることがあります。基本給や手当の内訳を比べて、手取りで考えましょう。
まずは、話を聞いてみることから
薬剤師専門の転職・派遣サービスに、働き方の相談ができます。
▼ 相談の申し込みはこちら
PR(広告)
転職サービスの選び方を見る →
※ 登録後、担当者から電話で連絡があります。
まとめ
- 病院の夜間の勤務には、通常の勤務である夜勤と、ほとんど労働をしない待機的な当直(宿日直)があります。
- 当直は労働基準監督署長の許可を受けて行うもので、通常の勤務と同じ業務が常態になっている場合は許可されません。
- 深夜に働いた場合は2割5分以上の割増賃金、深夜業に就く人には6か月以内ごとの健康診断があります。
- 相談しても負担が変わらない場合は、夜勤のない職場へ正社員のまま移ることも選択肢です。
あわせて読みたい
出典・参考
- 厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A(深夜割増、労働基準法第37条第4項) https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/chingin/q5.html (2026-10-22確認)
- 厚生労働省「医師、看護師等の宿日直許可基準について」(令和元年7月1日 基発0701第8号) https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000526011.pdf (2026-10-22確認)
- 厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」(労働安全衛生規則第45条) https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000103900.pdf (2026-10-22確認)
- 労働基準法 第37条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 (2026-10-23確認)
- 労働基準法施行規則 第23条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40000100023 (2026-10-23確認)
- 労働安全衛生規則 第45条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032 (2026-10-23確認)

